
2007年に新海誠監督によって制作された映画「秒速5センチメートル」。秒速5センチメートルは主人公の貴樹と明里の恋愛模様を描いた作品です。主題歌となっているのは、山崎まさよしが歌う名曲「One more time,One more chance」。この主題歌の歌詞が切ないストーリーと絶妙にマッチして泣けます。
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秒速5センチメートルのあらすじ
秒速5センチメートルは、東京の小学校の同級生であった貴樹(たかき)と明里(あかり)の恋愛模様を描いたストーリー。
2人は小学生ながらもお互いに心を寄せていた。中学も同じ学校へ通うものと思っていた2人だが、明里が親の転勤の理由で小学校の卒業を機に栃木へと転校してしまうことに。
東京と栃木、離ればなれになってしまった2人だが手紙のやりとりをして関係を続ける。しかし、中学1年の時に今度は貴樹が鹿児島へ転校することとなりさらに距離が遠くなることに。
お互いに思春期を離ればなれで過ごす2人は、成長するにつれ手紙のやりとりも少なくなり、気づかない内に心の距離までも遠くなっていく。でも、心のどこかで貴樹は明里のことをずっと思い続けていた。
年月は過ぎ、社会人となり東京に再び戻ってきていた貴樹。いつも見えない何かを求めながらモヤモヤしていた。その理由は、ずっと心の中で明里のことを思い続けていたからだ。
ある日、小学校時代に明里と登下校で渡っていた踏切を歩いていると1人の女性と通り過ぎた。貴樹は、すぐに明里だと気づき踏切を渡ったところで後ろを振り向く…。
秒速5センチメートルの主題歌「One more time,One more chance」
秒速5センチメートルの主題歌は、シンガーソングライターの山崎まさよしが歌う「One more time,One more chance」。
秒速5センチメートルの主題歌「One more time,One more chance」は、1997年に発売された音楽作品です
秒速5センチメートルは、貴樹が転校して離ればなれになった明里のことを忘れることができずにずっと思い続けながら成長していくというストーリーです。
途中、貴樹を好きだと思っている女の子が現れたり、お付き合いをする女性が現れますが、いつも貴樹の心には明里の存在がありました。
そんな秒速5センチメートルの物語に主題歌が絶妙にマッチして、ストーリーをより魅力的なものへと昇華しています。
秒速5センチメートルの主題歌の歌詞がストーリーに絶妙にマッチ!
【(C) Makoto Shinkai / CoMix Wave Films】
※ここから先、秒速5センチメートルのネタバレを含みます。これから作品を観るという方はご注意を。
秒速5センチメートルは3つの章(話)から成り立って1つの作品となっています。
第一話:桜花抄〜小学・中学時代〜
第二話:コスモナウト〜高校時代〜
第三話:秒速5センチメートル〜大人になってから~
第三話は、「大人になった貴樹と明里が今どのように過ごしているのか」「離ればなれになった貴樹と明里がお互いを思いながら成長してきた過程」の様子が描写されています。
貴樹は大人になった今も明里のことをずっと思い続けていて、それが理由で前を見て人生を進むことができずにいました。そんな離れてしまった明里のことを思いながら、中学・高校・大学・社会人となっていく貴樹の様子を描写するシーンで、秒速5センチメートル主題歌「One more time,One more chance」が流れ始めます。
この貴樹が明里を思い続ける心情と主題歌の歌詞が絶妙にシンクロし、貴樹のせつなくやるせない気持ちが手に取るように伝わってきます。
この秒速5センチメートルの主題歌「One more time,One more chance」の歌詞を見てみると、一つ一つの歌詞がまるで貴樹の明里への気持ちを表しているかのように感じられます。
「寂しさ紛らすだけなら 誰でもいいはずなのに」というフレーズがありますが、貴樹は大人になるまでに何回か恋愛をしています。しかし、いつも貴樹の心には明里がいて、女性達も貴樹が“違う誰か”を見ていることに気づき、結果として恋愛は上手くいきません。
こんなにも明里を思い続ける貴樹ですが、大人になったある日、東京の小学校時代に登下校で明里と通っていた踏切を歩いていると偶然に明里とすれ違います。明里も貴樹に気づいた様子ですが、その瞬間に電車がきてしまい過ぎ去ったころには明里はその場から立ち去りどこかへ行ってしまっていました。
さらに、その時点で明里は違う男性と結婚することが決まっていました。すでに、明里は貴樹と一緒になることはないんだと思い、違う人生を歩み始めていたのです。
「いつでも捜しているよ どっかに君の姿を」
「いつでも捜しているよ どっかに君の破片を」
「いつでも捜してしまう どっかに君の笑顔を」
この主題歌の歌詞のように明里を思い続けながら思春期〜大人へと過ごした貴樹の心情を想像すると、とっても切なくなってしまいます。
秒速5センチメートルの主題歌は映画用に作られたの?
秒速5センチメートルのストーリーと主題歌の歌詞の内容があまりにもマッチしているので、映画用に主題歌が作られたのかなと思いますよね。しかし、これはどうやら違うようです。
秒速5センチメートルの映画が制作されたのは2007年。対して、主題歌の「One more time,One more chance」が公開されたのは1997年です。
このように、映画が制作されるずっと前に主題歌は制作されています。ですので、秒速5センチメートルの主題歌は映画用に作られたというわけではありません。
秒速5センチメートルのストーリーと主題歌がマッチして泣ける!
ここまでは、秒速5センチメートルの主題歌についてご紹介をしてきました。
秒速5センチメートルは1つの作品が三部構成となっており、第三話「秒速5センチメートル」の中でずっと明里を思い続けて来た貴樹の様子が描写されます。
このシーンの主題歌の「One more time,One more chance」の歌詞がシンクロして、とにかく切なくなります。
ぜひ、こんな部分にも注目しながら秒速5センチメートルを改めてご覧になってみてください。