
ここでは『進撃の巨人』の登場人物・ハンネスについてご紹介します。巨人の驚異がなかった頃は飲んだくれ生活を送っていたハンネス。しかし、最期は自らの身を投げ出し巨人からエレンやミカサを守り命を落とすことに…。そんなハンネスの生き様について振り返っていきます。
【©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会】
『進撃の巨人』ハンネスのプロフィール(概略)
【©諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会】
ハンネスはウォール・マリア内のシガンシナ区に駐在する駐屯兵団の兵士。
ハンネスの妻が死の可能性もある流行の病気を患った際、医師であるエレンの父・グリシャに助けられたことから彼に大きな恩義を抱いています。
また、その一件がきっかけとなりハンネスはエレンやミカサ、アルミンとも交流をもつようになりました。
巨人の驚異がなかった頃、ハンネスは勤務中でありながら昼から仲間たちと酒を飲んだくれるという不真面目な兵士でした。
緊張感のない兵士ぶりに皮肉まじりに糾弾するエレンに対し、ハンネスは「オレ達が役立たずのタダメシ食らいって馬鹿にされてる時の方がみんなは平和に暮らせるんだぞ?」と答えるのでした。
アニメ『進撃の巨人』でハンネスの声を担当していた声優
アニメ『進撃の巨人』のハンネスの声優は、第1期を藤原啓治さん、第2期からは津田健次郎さんが担当しています。
ハンネス(第1期)…声優/藤原啓治
アニメ『進撃の巨人』の第1期でハンネスの声を担当した藤原啓治さんは1964年10月5日生まれで出身地は東京都。声優のほかにも、俳優やナレーター、音響監督として活躍されています。
藤原啓治さんの代表作は『クレヨンしんちゃん』野原ひろし役や『鋼の錬金術師』マース・ヒューズ、『交響詩篇エウレカセブン』ホランド・ノヴァクなど。
2016年8月に病気療養することが発表され、第2期からは声優の津田健次郎さんがハンネスの声を担当しました。
ハンネス(第2期)…声優/津田健次郎
アニメ『進撃の巨人』の第2期でハンネスの声を担当した声優は津田健次郎さん。
津田健次郎さんは1971年6月11日生まれで出身は大阪府。声優のほかにもナレーターや俳優として活動されています。
明治大学文学部文学科演劇学に在学中は映画に興味があったようですが、その後演技に興味をもつようになり大学を休学して演劇集団『円』の養成所である『円・演劇研究所』に入所。
養成所を卒業後は舞台系の事務所に所属していましたが、1995年にアニメ『H2』で声優デビューすることとなり、現在は芸能事務所アミュレートに所属されています。
『進撃の巨人』ハンネスはエレンの母・カルラを巨人から助けられず…
【©諫山創・講談社】
病気の妻の命を救ってもらったことからハンネスはエレンの父・グリシャに大きな恩義を抱いていました。
そんなハンネスが抱え続けた後悔…それはエレンの母・カルラを巨人から助けられなかったことです。
三重の壁によって巨人たちの驚異を人々が忘れていた頃、駐屯兵団のハンネスは勤務中でも昼から仲間たちと酒を飲んだくれるという自堕落な生活を送っていました。
しかし、突如として超大型巨人(ベルトルト)によってウォール・マリアが破壊され、シガンシナ区に巨人の群れが侵入してきます。
その際、超大型巨人が蹴り壊した壁の破片がエレンの家に直撃。家の中にいたエレンの母・カルラが下敷きとなってしまうのです。
カルラの夫でありエレンの父であるグリシャに恩義があるハンネスは、巨人の驚異が迫る中なんとかカルラを助け出そうとします。しかし、カルラは身動きを取ることができず、ハンネスにエレンとミカサを連れて逃げるよう懇願。
その間にも巨人がすぐ近くまで接近してきてハンネスは葛藤します。
『確実に二人(エレンとミカサ)だけは助かる方を取るか…』
『巨人と戦って全員助ける賭けに出るか…』
しかし、ハンネスは恐ろしい巨人の姿を目の当たりにして勝てないと判断し、エレンとミカサを連れて逃げることを選択。カルラは巨人に捕食され命を落としました。
カルラを助けられなかったことを強く後悔し続けるハンネス。その後は駐屯兵団隊長にまで昇進し、エレンやミカサたちにとってはもちろん駐屯兵団からも頼られる兵士となりました。
『進撃の巨人』エレンとミカサを助けようとしたハンネスが巨人に捕食され死亡
【©諫山創・講談社】
ライナーとベルトルトによって連れ去られてしまったエレン。エレンには座標(=叫びの力)という巨人を操る力があり、それは巨人に立ち向かう人類にとって唯一の希望でした。
エルヴィン率いる調査兵団たちはエレン奪還作戦に向けて動き始めます。そこには、かつてグリシャに妻を助けられ、カルラを助けられなかったことを後悔し続けるハンネスの姿も…。
ミカサとアルミンがなんとかライナーとベルトルトからエレンを奪還することに成功。しかし、鎧の巨人(ライナー)が巨人を投げて反撃し、ミカサとエレンは落馬してその場に倒れてしまいます。
すると、そこにかつてエレンの母・カルラを捕食した巨人が出現。エレンとミカサに危険が迫ります。
その時、2人の盾になるようにハンネスが現れ巨人と対峙。
「見てろよ!お前らの母ちゃんの仇を!!俺が!!ぶっ殺す所を!」
勇敢に巨人に立ち向かったハンネス。しかし、巨人の力には及ばずエレンとミカサの前で捕食され死亡してしまいます。
『進撃の巨人』巨人に捕食されるハンネスの姿を笑うエレンの心情を考察
【©諫山創・講談社】
エレンとミカサを助けるために巨人に捕食されるハンネス。すると、エレンはそんなハンネスの姿を見て笑い始めます。
「ははははは!!何にも変わってねぇな!!お前は!!」
「なんッッにも!!できねぇじゃねぇかよ!!」
このエレンが言う「お前」とは、もちろんハンネスではなく自分自身のこと。
エレンはかつての母と同じように、またしても同じ巨人に目の前でハンネスを殺されてしまい、無力な自分を嘆いたのです。
「母さん…オレは何も…なんっにもできないままだったよ!!」
そんなエレンの姿を死ぬ寸前までハンネスが見つめていました。
『進撃の巨人』ハンネスを捕食した巨人の正体はグリシャの前妻ダイナ・フリッツ
【©諫山創・講談社】
かつてエレンの母・カルラを捕食した巨人(カルライーター)によって命を奪われたハンネス。
実は、カルラとハンネスを捕食した巨人(カルライーター)の正体はグリシャの前妻・ダイナ・フリッツだったのです。
フリッツ王家の血を引くダイナは、エルディア復権派に協力し、その後グリシャと結婚。グリシャとダイナの間に生まれたのが獣(猿)の巨人・ジークです。
その後、少年ジークの密告によりグリシャやダイナ、エルディア復権派のメンバーはパラディ島に連行され、ダイナやエルディア復権派のメンバーはマーレ治安当局によって巨人にされてしまいました。
ダイナは巨人にされる前にグリシャにこのような言葉を残します。
「グリシャ…私は…どんな姿になっても…あなたを探し出すから…」
カルライーター(ダイナ)がシガンシナ区に侵入した後、一直線にイェーガー家に向かったのは、巨人となったダイナに死の寸前まで念じていたグリシャへの気持ちが残っていたからかもしれません。
『進撃の巨人』の登場人物・ハンネスについてのまとめ
ここまでは『進撃の巨人』の登場人物・ハンネスについてご紹介してきました。
ハンネスは妻の病気を治してもらったグリシャへの感謝、そして己の無力さからカルラを助けられなかったことへの後悔を抱いていました。
そんなことから2人の子供であるエレンに対し特別な感情を抱いていたはずです。
最期はエレンとミカサを助けるために巨人(カルライーター)に勇敢に立ち向かい殉職。きっと、最初から巨人を倒せるとは考えていなかったでしょう。
それでも、グリシャへの感謝、カルラを助けられなかったことへの後悔から、絶対に2人の子供であるエレンを自分が守るという決意があったのだと思います。
命を落とす前に、もう一度ハンネスに酒を好きなだけ飲んで欲しかったですね(泣)