
映画「ヘルタースケルター」をご覧になった方の感想で「タイトルの意味は?」「ラストシーンが意味不明…」という内容を多く伺います。そこで、ここでは映画「ヘルタースケルター」の題名の意味やラストの意味、結局どんなストーリーの作品だったのかについて解説していきます。
【(C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会】
映画「ヘルタースケルター」題名の意味について解説
【(C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会】
まずは“ヘルタースケルター”という題名の意味について解説します。
“ヘルタースケルター”とは英語の“helter skelter”をカタカナ表記にしたものです。
この“ヘルタースケルター(helter skelter)”は、以下のような意味を表す言葉です。
- 慌てふためいた
- 混乱した
- (螺旋状の)すべり台
沢尻エリカが主演を務めた映画「ヘルタースケルター」の題名は、上記のうち“慌てふためいた”“混乱した”という意味が当てはまります。
ヘルタースケルターの劇中では麻田誠(演:大森南朋)が“しっちゃかめっちゃか”と言っていますよね。※“しっちゃかめっちゃか”は『(物事が)混乱している』という意味
また、余談ですがBeatlesの作品で『helter skelter』という楽曲があるのですが、こちらは“(螺旋状の)すべり台”という日本語訳が当てはまります。
映画「ヘルタースケルター」のストーリー内容について解説
【(C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会】
上記で“ヘルタースケルター”の題名の意味について解説しました。
映画「ヘルタースケルター」は主人公・りりこの狂乱した様(さま)を描いた作品なのです。
それでは“ヘルタースケルター”の題名の意味について抑えつつストーリー内容を振り返ってみましょう。
※ラストシーンの意味が早速知りたい方は第4段落をご参考ください。(ちなみにここは第2段落です)
誰もが羨む美貌をもつトップモデルのりりこ
主人公・りりこは誰もが羨む美貌をもつトップモデル。
特に若い女性からの人気は絶大です。
りりこが宣伝する商品はなんでも売れます。
『女子がなりたい顔NO.1』それがりりこです。
しかし、りりこの美しさは全身整形による“ニセモノ”で…
誰もが羨む美貌をもつりりこ。
しかし、その美貌は全て“造りもの”。
りりこの美貌は全て全身整形によって造り上げられたものだったのです。
事務所社長・多田は、りりこについてこのように語っています。
「りりこの目と耳と爪と性器以外は全部造りもの」
次第にりりこの様子がおかしくなり…
りりこが整形を行った美容クリニックは悪徳クリニックでした。
その美容クリニックでは違法手術や脱税、賄賂などが行われていたのです。
そこで整形手術をしたりりこの体には次第に後遺症が現れ、体中に謎のアザができていきます。
また、根本的な治療をされず適当に出された薬を多量に服用していたので、りりこは徐々に幻覚などを見るようになっていきます。
さらに、自分の美貌が崩れつつあることにりりこが恐怖を覚えるなか、後輩モデルの吉川こずえ(水原希子)がりりこのポジションに迫っていきます。
『世間から忘れられてしまう…』そんな不安やプレッシャーが増幅したりりこは精神的にも肉体的にも“ヘルタースケルター”となっていくのです。
りりこがトップモデルの座から転落
りりこが整形手術を行った美容クリニックの汚職が明らかとなります。
同時に、りりこが全身整形をしていたことも世間に明るみとなります。
さらに、週刊誌やネットニュースではりりこが本当はブスだったという情報も拡散されていき…。
その頃、りりこは体中がアザだらけ。精神的にもボロボロです。
トップモデルのりりこは、こうして転落していきます。
映画「ヘルタースケルター」ストーリー内容をまとめると…
映画「ヘルタースケルター」のストーリー内容をざっくりと簡単にまとめてみます。
- りりこは若い女性から圧倒的な人気を誇るトップモデルだった
- しかし、りりこの美貌は全て美容整形による“造りもの”だった
- 次第に、りりこの体に違法整形手術による後遺症が現れる
- 処方された適当な薬を服用し続けることで幻覚に悩まされるようになり…
- さらに後輩モデルの吉川こずえの台頭で精神的にも追いつめられる
- 最後には身も心も“ヘルタースケルター”となる
- 世間の人気を失ったりりこは表舞台から姿を消す
ヘルタースケルターのストーリーを一言で説明するなら、『全身整形のりりこが次第に整形の後遺症や薬の副作用、後輩モデルの台頭のプレッシャーによる精神不安が増大し身も心も“ヘルタースケルター”になり転落していく』というところでしょうか。
映画「ヘルタースケルター」ラストの“りりこの笑み”の意味
【(C)2012映画「ヘルタースケルター」製作委員会】
映画「ヘルタースケルター」についてラストシーンが意味不明…という方も多くいらっしゃいますよね。
ヘルタースケルターのラストシーンについて振り返ってみると、
- 後輩モデルの吉川こずえが海外で撮影
- 打ち上げで怪しい見世物小屋(ショークラブ)に入る
- こずえが見世物小屋で元りりこのマネージャー・羽田美知子(演:寺島しのぶ)の姿を目撃
- 美知子の後を追って地下の部屋に入ると変わり果てたりりこの姿が…
- りりこがこずえの方を振り向き不気味な笑みを浮かべる
こんな感じでラストを迎えるのですが、この終わり方の意味についてどう解釈したらいいか分からないという方も多いですよね。
このラストシーンの意味としては、『表舞台から姿を消したりりこだったが、アンダーグラウンドの見世物小屋では今もなお人々から人気を集める存在であり続けていた』という解釈で大方正解だと思います。
りりこは子供の頃に“デブ”“ブス”“貧乏”とか言われて人目をかなり気にしていました。
そんなりりこを社長の多田が拾い、全身整形によってトップモデルに造り上げます。
そして、りりこは誰からも注目され人気の存在となります。しかし、次第に病的なまでに美や世間の人気を追求していくようになるのです。
同時に、りりこは自身の最大の恐怖である“人から忘れられる”という恐怖を増幅させていきます。(やっと得た大きなもの=人気を失うことへの恐怖)
そして、最後には最大の恐怖であった“人から忘れられる”ということが現実となってしまいます。
しかし、表舞台から姿を消したりりこはその後もアンダーグラウンドの見世物小屋で絶大な人気を集める存在であり続けていました。
ラストシーンでのりりこの不気味な笑みには“終わりではなく新たな始まり”を暗示するものだったのです。
ちょっと長くなってしまいましたが、上記がラストシーンで表現されている意味の解説です。
映画「ヘルタースケルター」の意味についての解説まとめ
ここまでは、映画「ヘルタースケルター」の題名やストーリー内容、ラストシーンの意味についてご紹介してきました。
ご紹介してきた内容についてまとめると…
①“ヘルタースケルター”の言葉の意味
…慌てふためいた/混乱した/(螺旋状の)すべり台
②“ヘルタースケルター”のストーリー内容
…トップモデルりりこの転落劇
③“ヘルタースケルター”のラストシーンの意味
…世間からの人気を失い表舞台から姿を消したりりこだったが、今も尚、アンダーグラウンドの見世物小屋で人々からの注目を集め続けていた(ラストのりりこの笑みは終わりではなく新たな始まりを暗示するもの)
ぜひ、ご紹介させてもらった内容を参考にしてもらいながら再度へルタースケルターをご覧になってみてください。